最近のニュースから・・・乳がんの予後とヨガの関係
自然科学や文化など良質なコンテンツで知られる『ナショナルジオグラフィック(National Geographic)』の提供する日本語サイトが2月13日、こんなニュースを紹介しています。
アメリカのオハイオ大学の神経科学・心理学教授が率いる調査チームが、ヨガを実践したことのない乳がん克服後の患者200人のうち、半数に週2回・90分のヨガレッスンを3カ月の間受けさせ、その後も自宅での実践を続けるよう勧めたところ、ヨガをしなかった残り半数に比べ「疲労を感じず元気だ」と報告した人が多かったのだそうです。
結果を証拠づけるため、研究チームは、炎症マーカー(体内に炎症や組織障害が起きているときに増加する物質)として知られる血中の3種類のタンパク質についても調べたところ、ヨガを実践したグループは炎症マーカー値がいずれも10~15%低下していたそうです。
記事はその理由までは明らかにしていませんが、がん治療は患者さんに大きなストレスや疲労、睡眠障害などをもたらし、それが体内の炎症の悪化を招いているとすれば、ヨガにはストレスを低下させ、睡眠の質を改善する効果があると示唆しています。
他にも、ヨガの熟達者ほど初心者に比べてストレスによる炎症反応が低いことや、ストレスにさらされることの多い人がヨガを行うと、注意力の改善やストレス反応を示す物質の減少が報告されていることなども紹介されていて、ヨガにはさまざまな原因で引き起こされるストレスの改善に何らかの効果があるようだと記事は伝えています。
がん患者さんの予後とヨガとの関係はよくはわかりませんが、7年ほどヨガを続けている私も、深くゆったりとした複式呼吸を繰り返すヨガには、ストレスを軽くする効果があるのを自覚します。ネガティブなものを呼気とともにお腹の底からすっかり吐き出し、クリーンなものを吸気とともに体いっぱいに満たしていくというイメージをするだけで、心身が浄化され、健康なエネルギーが充満していく心地よさを得ることができます。
自律神経失調気味だったのが改善され、アレルギー症状や便秘なども軽くなり、免疫力が上がったのか風邪もほとんどひかなくなりました。ストレスがいかに日常のちょっとした不具合の誘引になっているかということかもしれませんね。
最近では乳がん経験者のためのヨガ教室を運営する方もずいぶん増えて来られました。通常のポーズは手術後のからだにはキツいものもあり、病後の方に配慮されたこうしたヨガクラスの存在がもっと知られるようになれば・・・とこの記事を読んで痛感した次第です。