「乳房再建手術」への正しい理解の普及と乳がん患者さんのQOL向上をめざして
NPO法人E-BeCは、乳がんを宣告され混乱のまっただなかにいる人や、
乳房をなくした喪失感にとらわれている人に「乳房再建⼿術」について正しく知ってもらい、
希望と⾃信を持って生きていくきっかけを提供することをめざして活動しています。
現在、日本人女性のおよそ9人に1人が乳がんにかかり、その数は年々増加しています。手術で患部を摘出することで生命は助かっても、胸の形は大きく変形し、患者さんたちには大きな精神的苦痛が残ります。「乳房再建(にゅうぼうさいけん)手術」は、手術によって損なわれた乳房の形を取り戻すことを目的とした手術です。これにより患者さんたちは女性としての自信を取り戻し、自らの人生と向き合いながら明るく前向きに生きていくことができます。「乳房再建手術」には、患者さんたちの“生活の質(Quality of Life=QOL)”を高める大きな意義があります。
また最近では乳がんと分かった時、主治医から「再建はどうしますか?」と聞かれる機会が徐々に増えてきました。「乳房再建手術」が紹介される機会も増え、手術について知る人も多くなりましたが、正確で網羅的な情報を得ることはまだまだ困難です。特に手術を手がける医療機関や患者会の数が豊富な大都市圏と、そうではない地方都市との情報量の格差も縮まっているとはいえません。
NPO法人E-BeCは、乳房再建手術の情報がないため再建できなかったということにならないよう、乳房再建手術について正しい情報を得たうえで、自ら再建手術をするかしないかを選択し、希望する誰もがどこでも一定水準の再建手術を受けられる社会を目指しています。
そのために、時代の変化を正しく見極めながら、いま患者さんたちが最も必要とする情報を広く提供していくことで「乳房再建手術」への正しい理解を広げ、患者さんたちのQOLの向上に貢献するとともに、年間9万人以上が新たに乳がんに罹患する現代社会において、女性が安心して自らの選択ができるための環境づくりとなるさまざまな活動を展開していきます。
E-BeCのあゆみ
- 2010年11月 E-BeCの母体となる「STPプロジェクト」で写真集『いのちの乳房』を発行。
- 2012年7月 「エンパワリング ブレストキャンサー/E-BeC」を設立し活動を開始
- 2013年1月25日 東京都より特定非営利活動法人(NPO)の認証を取得
- 2013年9月 「乳房再建全国キャラバン」をスタート
- 2014年4月 「乳房再建に関するアンケート調査」の公表を始める
- 2014年4月 『乳房再建手術Hand Book』を企画・制作
- 2014年11月 「E-BeC特別セミナー」をスタート
- 2019年8月 アラガン製品のリコール問題に際し、厚生労働省に要望書を提出
- 2020年5月 オンラインによるセミナー・乳房再建ミーティングをスタート
- 2021年3月 『乳房再建手術Hand Book』改訂版を発行
- 2022年3月 第9回エクセレントNPO大賞「課題解決力賞」ノミネート
理事長プロフィール
真水 美佳
NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー/E-BeC 理事長
国家資格キャリアコンサルタント
2級キャリアコンサルティング技能士
両立支援コーディネーター
NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーデネーター
2008年、両側乳がんに罹患。
2010年、自身の乳がん体験をもとに写真集『いのちの乳房-乳がんによる「乳房再建手術」にのぞんだ19人』 (撮影:荒木経惟、発行:赤々舎)を 企画・出版。
2013年1月、NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー設立。